一級建築士トッティが教える
「建物管理の教科書」

建物管理を詳しく解説!!建物のライフサイクルコストを下げ、長く安定稼働させる!

第1回 管理を買えとはどういうこと?通常管理と計画修繕

みなさん、はじめまして。

シマダリファインパートナーズ株式会社 専務取締役 戸澤晴信です。

これから建物管理についてシリーズ化して、知って得する管理についてお話ししたいと思います。
ここ「建物管理の教科書」では、管理の具体的な中身を説明して、「最小限度必要な管理」、「あればこれから便利になる管理」、「長い目で見れば得する管理」等が分かるように説明していきたいとおもいます。

これからの「建物管理の教科書」の内容

・知って得する管理の基本 建物の維持管理のお金の話(ライフサイクルコスト)
・知らないと損する計画修繕 大規模修繕工事の進め方とその工事内容
・他の計画修繕
・管理費ってなに? 管理の内容「法定点検」他
・物件を買う時に知っておくこと 

など。

各項目数回に分けて詳しくご説明します。
知ると知らないのとは大違い。
ご自分の知識となれば、リスク回避やコスト削減につながるものと思います。

私は、ゼネコンで新築マンション等を建築して、その後大手のマンション管理会社で「大規模修繕工事」や「日常のメンテナンス」「漏水対応」その後Jリート立ち上げの物件購入の遵法性調査いわゆるデューデリジェンスをしていました。その後小さな不動産会社で自社物件の管理をしてました。

これまで多くの管理組合、物件所有者さんと接してきて感じたのは、管理の本質を知らない方が多いということ。知らないが故の勘違い、思い込みがあるということ。
思い違いで、結果数年後には多額の費用がかかる等、多くの事例に接してきました。その中で、管理の基本を知っていただきたいと感じてきました。
特に知ってほしいことは、日常管理だけではなく修繕の計画を検討することが重要だということです。

管理組合や物件所有者さんによっては、修繕が場当たり的に「傷んだから修繕」「鉄がサビてきたから塗装」など明らかな劣化が進んでから修繕をする場合があります。その場合、痛みが進んだ分、修繕費が掛かり、修繕後も仕上がりが悪かったり、その後の修繕周期が早まったりすることを目の当たりにしてきました。

第1回は、管理の考え方についてお話ししたいと思います。

分譲マンションだと良く「管理を買え」って言葉がよく出てきますよね。

いままでいろいろな「管理を買え」といわれた書籍でも、具体的な内容が書かれていませんでした。みなさんが普段目にする「管理」とは、「日常清掃」で建物をきれいに維持する印象ではないでしょうか?
「日常清掃」は直接建物の見た目に影響して、「ゴミ置き場が汚い」などは建物のイメージも悪くなります。ですからどの所有者も方も目に付くところです。
建物所有者だけでなく我々管理する側も建物をきれいに維持することに注力します。ただ建物をきれいに維持するだけなら、「管理を買え」といわなくてもいいですよね。ではなぜ「管理を買え」というのでしょう。
結論から言うと「管理を買え」の示しているところは、「通常行われる管理」と「計画修繕」を適正に立案・実施して常に適正な状態を保つこととなります。

ここで通常行われる管理について考えてみましょう。

「日常清掃」「定期清掃」メンテナンスでは「法定点検」「植栽剪定」「排水管清掃」大きい物件では「エレベーター点検」「受水槽清掃」「設備点検」などではないでしょうか。
建物には新築時、またその後の維持について規模や設置されている設備に応じて法律及び条令で点検が義務付けられています。
そこで設備の不備が見つかって改修しない場合には建物所有者に是正勧告や悪質の場合と判断させれば罰則があることもあります。
法定点検といわれるものは、点検が必須となります。それ以外は任意という考え方になります。
詳しい内容は別の回で解説したいと思います。

通常管理以外でもう一つ重要なのは「計画修繕」です。

先ほども書きましたが、建物が傷んでから修繕を行うのでは、費用も掛かり、修繕周期が短くなります。ではどうすればいいのでしょうか。
それは、建物に応じて修繕を計画することです。それが計画修繕です。
では実際どうすればいいのでしょうか。

国土交通省のホームページで長期修繕計画表について触れていますが、鉄部塗装4年大規模修繕工事12年などです。

これは区分所有マンションの指針です。賃貸マンションでも今後指針が示されると思いますが、今までの賃貸物件の実情から大規模修繕工事などは15~17年位ではないでしょうか。ただ17年を超えて20年となるとかなり躯体も痛み、補修箇所の増大、室内の漏水が見られるように思います。(計画修繕は詳しくは別の回でご説明いたします)

修繕を計画的にすることで、大規模修繕工事のコストが抑えられ、その後の修繕が有利となります。また前もって計画することで資金計画も立てやすいメリットがあります。
私自身、ご自分の一生について保険や今後の医療費等いろいろお金がかかることについて、歳を追うごとに考えるようになりました。
みなさんも同じようにご自分の費用について考えることがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

建物も同じで、一生に掛かる費用を通常の管理費と、数年後に掛かる工事等予測して資金計画を立て計画的に歳出することが、結果コストが抑えられることにつながります。

何も修繕しない建物を、そのままほっておいて、ある日「建物が漏水した。」とか,「急にポンプが壊れて水が出なくなった。」とか、さまざまな不具合が起こってから、緊急に対応すると、入居者等に損害を与えた場合などに、劣化以上の費用が掛かることもあります。
ですから、修繕を計画的に行うことが大事になります。
通常の管理と計画修繕がセットで管理があるとご理解ください。
いろいろお金がかかるように感じるとは思いますが、全く費用を掛けず建物は、維持できません。ですから効率よく計画的に管理することで結果コスト削減につながります。

コストと修繕について次回以降、詳しく数回に分けてお話ししたいと思います。

今回のポイント
「日常の管理費用と計画修繕はセットで考えましょう!!」

この記事では、普段知ることの少ない情報をお知らせしながら、建物管理を理解できるように解説します。

次回は、第2回 知らないと損するライフサイクルコストと修繕計画です。

※一級建築士トッティが教える「建物管理の教科書」は、全56回を予定してます。順次アップしていきますので、お楽しみに!

目次

第2章 大規模修繕工事の工事の中身

第3章 その他の計画修繕

第4章 建物の基本

第5章 知らないといけない点検

第6章 物件を買う前に覚えておくこと

第7章 建物との付き合い方

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