一級建築士トッティが教える
「建物管理の教科書」

建物管理を詳しく解説!!建物のライフサイクルコストを下げ、長く安定稼働させる!

第2回 知らないと損するライフサイクルコストと修繕計画

みなさん、こんにちは。
シマダリファインパートナーズ株式会社 専務取締役 戸澤晴信です。

今回は、ライフサイクルコストについて解説したいと思います。
ライフサイクルコスト?あまり聞き覚えのない言葉ではないでしょうか。
でも知ると今後の建物管理に対する考え方が変わってきます。

ライフサイクルコストとは、新築から解体まで建物の一生に掛かるコストを言います。

ライフサイクルコストを抑えることが、管理に掛かる支出を抑えることにつながるということになります。

国土交通省調べ 中規模ビル

ライフサイクルコストの内訳は次の通りです。

「建築コスト」は、新築時の建築費
「維持管理」は、日常の清掃・点検等の管理費
「修繕工事」は、大規模修繕工事・ポンプ、EV等の交換工事。他日常の修繕費も含む。
「光熱費等」は、水道・電気等の共用部分に光熱費
「解体費」は、建物の最後に解体する費用
以上のようになります。

※個人的な感想ですが、官庁関係の庁舎でのデーターですので、民間だと修繕工事はもう少し比率が高いような気がします。庁舎等は外観等をたまに見かけますが、予算の関係からか建物の修繕があまり計画的に進めてるようには見えません。

内訳は通常新築の建築費に、一番コストがかかると思われていますが、実際のところ、新築時のコストは全体の約2.5割ほどで、7割以上が建物竣工後の日常の管理や維持修繕になります。
7割の半分が修繕工事になりますので、いかに修繕工事を計画的に行うかが、ライフサイクルコストを抑えるカギになります。
別の回で詳しく説明しますが、大規模修繕工事等の工事は、時期を見て計画的に行わない場合、例えば外壁や屋上からの漏水や鉄がサビてボロボロになって不具合が出てからの修繕は、計画した修繕より多額の費用が掛かり、結果高い費用を払うようになります。

それまでは費用を掛けなくてよいように思っていても、建物の劣化状況を知らないまま放置することで、あとあと後悔することになります。
また維持修繕には、大規模修繕工事、設備の入れ替え以外にも日常の修理・修繕も含まれますので、修理が必要になったらあまり間を置かずに修理してください。
例えば照明器具のカバーが破損した場合、すぐにカバーを交換すれば修理だけで終わるものも、修理まで時間を空けてしまうことで照明器具本体が雨や湿気で器具ごと交換しなければならなくなります。このような必要以上に費用が掛かることがあります。

少しでもライフサイクルコストがご理解いただけたでしょうか。
管理の内容が理解できれば、ライフサイクルコストの重要性がもっと理解できると思います。

今回のポイント

「ライフサイクルコストを抑えるには、修繕を計画的に行うことが重要」

次回は、修繕の考え方 ライフサイクルコスト 定期的修繕の必要性

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